不動産バブル崩壊の足音が聞こえるが、足元に来るのはもう少しかかりそうという話

かつてのバブル崩壊の引き金となったのは大蔵省が銀行に対し、

不動産に融資を出すのを抑えなさいと規制をかけた事でした。

 

それから時は経ち、再び不動産がバブっています。

このビックウェーブに乗るしかないと決め込んだゴリラさん達が

ウサギさんの皮を剥ぎまくって、挙句の果てに一部の銀行まで加担していた

事実が明らかになっています。

 

スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180907404978.pdf

 

スルガ銀行金融庁前森長官からべた褒めされていた「お手本の銀行」でした。

同行に学んで不動産投資に傾斜していった金融機関は沢山あるはず。

スルガ銀行がこんなにひどい事になっているなら、他の金融機関も

同じような問題が起きているはずだ、と金融庁は考えている事でしょう。

 

では、金融庁が銀行に不動産に融資を出すのを抑えなさいと、かつての様に

規制をかける可能性はあるでしょうか?

 

 

私の意見では、まず無いだろうと考えます。

 本日公表された今後の金融行政方針を見て、そう思いました。

 

金融庁は、問題を的確に把握しているが、自分たちのアクションで

不動産バブルを崩壊させる訳にはいかないと。

安倍政権下の好景気の腰を折る訳にはいかず、問題は先送りするしかないと。

そんな金融庁の忖度、苦渋の決断が行間から滲み出ている様な気がしました。

 

金融庁行政方針(2018年7月~2019年6月)

https://www.fsa.go.jp/news/30/For_Providing_Better_Financial_Services.pdf

 

 

金融庁行政方針は、金融庁が定期的に銀行に検査に入る際に

「こんなポイントを重点的に見るよ(^^♪」

と事前に伝える事で、

「だからちゃんとしとけよ(^^♪」

とプレッシャーを与えるためのものでもあります。

 

そして、年に1回出される金融庁行政方針の中で、

「不動産」というキーワードは年を追って増えています。

2年前の文章では「不動産」というキーワードはたった2回しか

登場しませんでしたが1年前は5回に増加し、

 

そして、今回は何と、

 

19回

 

も「不動産」というキーワードが出てきます。

 

金融庁行政方針の核となる部分を見ていきましょう。

 

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投資用不動産向け融資
【金融行政上の課題】
アパート・マンションやシェアハウス等を対象とした投資用不動産向け融資については、以下のように、顧客保護等の観点から問題のある事例が確認されている。
・ 金融機関及び悪質な持込不動産業者の双方が関与した、入居率や賃料、顧客の財産や
収入の状況等についての改ざん
・ 借り手にとって経済合理性のないその他の融資商品・預金・保険商品等の抱き合わせ販売また、融資対象の不動産について相対的に高額の価格設定がなされ、顧客がその収入や財産状況に比して過大な債務を負うケースや、賃料を保証する不動産業者の経営状況が悪化することにより顧客への賃料保証が行えず、顧客が返済不能となるケース、その結果金融機関において損失が発生するといった信用リスク管理上の問題が確認されている。

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非常に分かりやすい説明で、問題点がよく分かります。

続いて、上記課題を踏まえた方針を見ていきましょう。

 

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【本事務年度の方針】
上記の課題を踏まえ、投資用不動産向け融資に関して以下の点を中心に、横断的なアンケート調査を行い、検査も活用しつつ深度あるモニタリングを実施する。
・ 融資審査・管理態勢
- 賃料収入や顧客の財産状況等、返済可能性を考慮した融資実行時の審査
- 持込不動産業者が提示した価格の妥当性の検証等、持込不動産業者の管理
- 空室率や賃料水準の推移の把握等の期中管理
・ 顧客保護等管理態勢
- 顧客が不動産を購入する目的と照らし合わせた、顧客にとっての借入の合理性の検証
- 空室率の上昇・賃料の低下等、将来の賃料収入に関するリスクの説明
・ 法令等遵守態勢
- 顧客への不当な抱き合わせ販売を防止するための態勢

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これを読んで思ったこと

・隠そうとする銀行(一部の支店・銀行員)にどこまでメスを入れられるか。

・審査時に家賃水準の妥当性の検証をどうやって行っているかにも踏み込む事を期待。

・不動産が持ち込んだ不動産価格の妥当性の検証は大事。

 

そして、全体的に踏み込み不足の印象。

 

やはり、バブル崩壊のときと同様に伸ばすだけ伸ばすのか。